あっ!丁度良いところに加藤さん♪

神道とモノ作りと趣味の辛口コンシェルジュ

弘法筆を選ばず…ではない

私のスミ入れ作業を見ていたお客様より、「流石、弘法筆を選ばずってやつですねぇ〜、集中力が半端ない!」って、ありがたくお褒めの言葉を頂戴しまして感謝なのですが…

 

確かに借り物の道具ではありましたけども…

『実は弘法は筆をしっかり選んでいたのですよ。選ばずと言われているのは、愚作を作ってしまう様な程度の悪い道具を、初めから選ばないと言う事なんですよ。いくら器用だとしてもセンスがあったとしても、やっぱり悪い道具ではどうすることも出来ないですね。』

そこには道具に対する目利きが出来るか否かが、プロの実力でもあると言うことにもなります。

100%能力を引き出せる道具もあれば、70%の能力しかない道具もあるでしょう。

その70%の能力を100%活用出来る者をプロフェッショナルと呼び、100%の能力を70%しか引き出せない者をアマチュアと呼ぶのです。

70%の道具選びで、70%の能力ならド素人って事になりますね。

 

時に借り物で作業しないといけない場合もありますけど、プロほどに自分の道具に拘りますし、道具に投資を惜しまないし、大切にしています。

今の時代、仕事であるにも関わらず借り物で仕事をしている「なんちゃってプロ」も多く居ますが、私から見たら仕事に対するプロ意識も、物の出来上がりも、依頼主、お施主様に対する礼儀も、所詮、その程度の低レベルって判断して間違いないですね。

 

あのイチロー選手は、本人が良いと言わない限り、絶対バットを他人には触らせないですよね。

私が付き合って来た職人達も一流の腕前の者は同様でしたし、触って良いと言われても、お恐れ多くも…私如きがなんですよ。