あっ!丁度良いところに加藤さん♪

神道とモノ作りと趣味の辛口コンシェルジュ

労災事故と職場の安全管理

今日は2件の企業案件

先ずは企業内の労災事故について。

 

これは昨今のハラスメント問題とも深く関わりがあって、ハラスメントに臆して正しい事も注意出来ない社会環境と会社環境に絶対的な原因があります。

 

動いているトラックの後ろを台車で通って挟まれた。

荷役ホームにバリケードもせず、脚を滑らせ転落。

フォークリフトとの接触。脚立からの転落。カッターナイフによる切創多数…まだまだ続きますが言い出せばキリが無い。

 

対策として社内注意喚起表記やバリケードの設置などをしても一向に減る気配が無いとの相談ですけども、そもそも、そんな物にいくらお金をかけたところで、作業者の教育訓練の質が低いのですから改善される訳が無いのです。

 

必要なものは教育と躾。そして、誰に対してもブレる事無く正しく𠮟る事が出来る人の存在です。

危ないと思われるその時タイミングに、間髪入れず注意指導出来る管理者が居なければ、事故は絶対に無くなりません。

 

組織としての教育も躾もハラスメントが怖くてしないのに、事が起きたからと普段から正しく注意も出来ないのに感情的に注意するからハラスメントなんですよ。

 

これについては、企業のトップやリーダーたる人物が「我が社は、従業員の人命尊重と労災事故撲滅の為、やってはいけない事をしたならば、誰と言わず厳しく注意します。その為の教育訓練も厳しい社風なので、それを理解した上で入社願います。」と言えば良いのです。

 

本当に人命尊重を大切にしている企業が、ハラスメントと言われる所以も無ければ、とりあえず人不足と無秩序に無知な従業員を採用したところで、他の一生懸命働く従業員に迷惑をかけるだけの事で、組織が正しく機能しないと考えるべきです。

 

「今時の若い者は、注意すれば直ぐに辞めてしまうので、迂闊に注意も出来ない…」

あのね、給料払ってるのはどちらですか?

何、弱腰なんでしょうか?

別に若い人材、新卒に拘らなくても、しっかり分別のあるキャリアを採用し、モラル・マナーのしっかりした組織を作る事が企業として最優先だと思いますよ。

 

昔は、新卒は3年くらいは下積みと言われましたけど、今時なら5年しても一人前と言えるかも微妙なところで、若い人でも優れた人材が居ると感じる事もありますが、総じて褒めて育てろと勘違いした意味不明な自信だけの未熟な者が圧倒的に多い。

日本の企業が世界と比較して競争力が低下している原因も、この様な人材の質の低下が原因であると考えます。

人財、人材なら良いが人災ばかりです。

 

以前にも某高級自動車ディーラーの工場長に相談を受けた事がありますが、新人整備士がカーリフトの下を無言で通ったのを注意をしたそうですが、それをハラスメントと訴えられて、会社側が工場長にペナルティーを与えたとの事。

罵倒する様な発言や暴力があったのか詳細を確認したところ、整備士として基本中の基本を注意しただけの事で、語気が強かろうが、工場長として当たり前の職務を遂行しただけと私は判断しました。

人事部が現場を知らなければ、弱腰過ぎるのは呆れるばかりでした。

何をそこまでご機嫌伺いをせねばならないのか?マスコミですか?ネットのくだらない書き込みでしょうか?

一歩間違えれば死んでしまう様な事態に躊躇いなどあってはいけない事です。

語気が強かろうと、人として正しい事をしたので、本来ならば褒められるべき内容です。

私の先輩は、整備時に車体下にかませるウマが外れて車の下敷きになって、半年社会復帰出来ませんでした。

安全管理には残念ながら絶対はありません。

絶対があるならば、羽田の様な衝突事故は起きませんよね?

貴方があの飛行機の乗客だったら、何を思ったのでしょうか?

CAさんの行動は厳しい教育成果です。素晴らしいと思った方も多いでしょう。

それを「伏せて!」「荷物は持たないで!」って語気強く言われたと訴えるのですか?な訳ないでしょ。

ただ、死者が無かったので称賛はされてますが、あの時、亡くなられた方があったらマスコミや世間はなんと言ったのでしょうね。

 

安全を担保すると言う事は想像以上に厳しい過程が存在します。それらを軽視した自動車メーカーもありますよね。皆さんどう考えますか?

勿論、十人居れば十人十色の正義があると思います。それで良いと思います。だからこそ相手の主張を認め、悪意は排除し、とことん正しい議論を繰り返すのですよ。

人命に昭和風も平成風も令和風もありません。