桜の季節も今年は少し遅いですが、当方の自宅や職場周りも桜満開で、この週末はお花見日和でしょう。
そんなことからモノづくり講義の中で、広葉樹と針葉樹の特徴などをお話させて頂きました。
因みに、それぞれの代表的な樹木は分かりますか?
さっくりと説明すると
広葉樹:サクラ、クリ、ブナ、ツバキ、クスノキ、カエデ、シイ、他
針葉樹:マツ、スギ、ヒノキ、ヒバ、モミ、イチイ、他
加工をする上での、特徴を簡単に話せば、広葉樹は固く、針葉樹は柔らかいのです。
昨今、DIYがブームになった背景には、よく用いられるSPFとかホワイトウッドの柔らかく加工が容易な木材が主流な点であり、針葉樹は成長も早く、北米産のSPFなどは木材が高くなった現在でも比較的リーズナブルな方であることでしょう。
広葉樹だと使える木材になるのに50年とか100年とか普通にありますからね。
比重からもサクラなど0.7くらいあるものもあって固く重い材料です。
SPF辺りだと0.45くらいになります。
その仕組みは、針葉樹の幹の主体は仮道管と言ってストローを束ねた様なもの、広葉樹では木の幹全体で樹液を運ぶものとイメージしてもらうと、密度や比重の違い、加工の難易度も理解出来るかもしれません。
ハードウッドやソフトウッドと言われ分類されることもあります。
広葉樹は製材後、比較的、変な反りや捻りも少ないことから、楽器とか高級フロア材に使われたりもしますが、加工も針葉樹に比較して一苦労なので、材料も完成品もそれなりのお値段になると思います。
楽器職人に聞いたところ、バイオリンは主要な部分がメープル(広)と表板がスプルーフ(針)と部位によって使い分けているそうです。
DIY初心者の方にありがちな話ですけども、接合箇所が開いてしまって上手く組み付けれない。真っ直ぐでも無ければ、直角でも無い…云々。
そりゃ、そうでしょうよ。
木表、木裏、元口、末口、アテも分からなければ、更に技量もないのに、反り捻りのある部材をどうやって隙無く綺麗に組み立てられるのでしょう?
鉋を上手に使うDIYerなんて、見たこと無いですし、何でもビスでしょ?
言うのは簡単ですけど、作業はそんな簡単な話ではないのですよ。
実家の建具ですが、父親の仕事を請け負っていた宮大工さんが作ったサクラの建具なのですが、間もなく半世紀になろうとしていますけど、今だ留めに隙もなく、髪の毛一本入りませんし、広葉樹なので変な反りも捻りも発生していません。
戸車のほうが何度負けたことか。
もし、しっかり木工作を学びたいのであれば、ホームセンターで売っている安価な針葉樹ばかり相手しているのではなく、広葉樹にもチャレンジすると、その難しさも分かれば、技量もきっと上達すると思いますよ。
完全に脱線した余談ではありますが、戸建てのお庭に沢山広葉樹は植えると、孫子の代で苦労させる事になりますので、庭木選びにも注意が必要です。
広葉樹は樹形が横に広がりやすいので、お隣との境界をはみ出さないに枝の伐採手入れも面倒だし、硬いので伐採して根を掘り起こすにも、かなり面倒ですからね。
祖父の家の解体をする時に、ツバキがいっぱい植えてあって、大きく育っていたので苦労した記憶があります。
桜の木も樹齢の長いものは、周辺のアスファルトとかコンクリート、石材を押し上げて太い根っこがモッコリ出たりしているのを見かけませんか?
樹木は樹形の枝幅と同じくらい根も広がると思って間違いありません。
鉢植えでも同じですね。枝葉を大きく広げたら、きっと小さい鉢では根がパンパンになっていると思って違いありませんよ。