割るって壊す訳では無く、等分するお話です。
よく木材縦割りで二等分させると、例えばSPF1✕4の場合、巾が89mm規格なので、44.5mmと片側から墨付けして、カットしてみたら寸法が揃っていないって、よくあるんです。もう初心者あるあるなんですよ。
確かに規格は89mmなんですけども、湿度で木材は常に伸び縮みしていると言う事。
製材の段階では89mmでも、無垢材は手元に届く段階では違う事もあると覚えましょう。
89だと思ったら、88だったり、90だったり、痩せているところもあれば、膨れている事もあるし、曲がったり反ったりするのは日常茶飯事。
安い割り箸をイメージして頂ければ良いかと。
そもそもの話、DIYで使うSPF材やホワイトウッドが、真っ直ぐだと思い込んでいるところが間違いなのです。
ちゃんとした仕事をするならば、時間を掛けて乾燥した物を使わないと駄目であって、時間を掛けて乾燥させて、削って、仕上げた手間賃分だけ材料の値段が高くなるのです。
今日では建材なども無垢の柱だと思ったら大間違いで、芯は別物で表面にそれらしく貼って加工したものが多くなっています。所謂、集成材と言われる類の工業製品です。
工業製品なので、反りや狂いも少ないのです。
では、作業を始めます。
先ずは二等分。差しが届く範囲なら暗算や電卓は不要です。
差しを斜めにして、端から端で材料全幅より長い差し目にします。
上の写真の場合、12cmです。
つまり、6cmの差し目が二等分の位置ですね。
更に、もう一箇所、離れた場所に同じ様に墨付けをします。
その二点を結んで墨付けをすれば、二等分の墨付けが完成です。
次は三等分にします。
三等分も同じことで、今度は12cm÷3ですから、4cmと8cmに墨付けすればOKですね。
三等分出来ましたね。
兎に角、覚えておいて欲しいのが、『木材は伸び縮みするし、反りもひねりもする』と言う事。
規格だけを頭に入れて、寸法出しをしたり、墨付けすると失敗します。
弓なりに反った材料を上から見た時に、内側と外側の寸法が違うことは想像出来ますよね。
木材は、一般的な知識として木表(年輪外側)に向かって反ると認識する事も大切です。
木表、木裏、元口、末口など、機会があれば説明しますが、木工作をやりたいなら最低限の事は理解しないと良いものは作れませんよ。