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松巨島散策 其の弐 富部神社から熊野三社

前回、途中から田光八幡社へと予定を変更しましたので改めて松巨島散策。

現在の名古屋市南区笠寺あたりの台地を「松巨島」と言いますが、詳細は前回の記事をご参照下さい。

wisteriaplus622.hatenablog.com


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スタートは今回も富部神社です。すっかり秋模様ですが、今日は外気温も20℃あって汗ばむくらいです。

 

毎月、熱田神宮とは別日に富部神社に参拝に伺うのですが、定期的に身体のメンテナンスに整体院に通っていて、施術後の運動でもあるんですが、通っている整体院が近所なんです。

絵:いらすとや

富部神社に到着すると、先着の方が長くお参りしておりましたが、祝詞を読まれていたのでしょうかね?

私は虎の巻があっても噛んでしまうので、毎度、略拝詞を用いております。

 

【二拝二拍手「名前」「略拝詞」一拝】

 

【祓い給い 清め給え 守り給い 幸へ給え】

はらいたまい きよめたまえ まもりたまい さきわえたまえ)

 

これを三回唱えます。声を出しても出さなくてもOKです。

 

「い」「え」「へ」の使い方を言われる方もおられますが、そこは皆さん神職でもありませんし、個人の自由で良いと思います。

更に前半部の「祓い給い清め給え」だけでも充分です。

 

ただ、拝殿にて祝詞を読まれるならば、特に参拝者の多い神社では、左にずれるなりして、他の参拝者への気遣いも必要でしょう。

神社では礼と感謝、他者への気遣いが大切なのに、正中(ど真ん中)で神事でも無いのに祝詞を読むと言うのは、個人的には少し考えられた方が良いのではないか思います。

 

絵:いらすとや

そんな思いを察せられたのか、灯籠のあたりから「カン!カン!」と音がしました。

 

絵:いらすとや

邪な思いに対する戒めなのか?承知したと言う事なのか?

先着の方の祝詞が終わるまで、ちゃんとお待ちしましたよ。

 

富部神社の参拝も終わり、旧東海道を北進します。


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前回、気になってはいたのですが、パスしてしまった熊野三社へ到着です。

この石碑が目印です。

 

到着すると賑やかな会話が聞こえて来ました。

氏子さんたちが境内の掃除をされていたみたいで、御神木を囲んで何やら楽しそうにお話されておりました。

ここ半世紀の間にも同じ様な光景があったのでしょうね。

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こちらが熊野三社で村社になります。

松巨島の中でも小高い丘に建っているのが、東方にある「イオンあらたま」から見ると、よく良く分かります。

神社裏には谷間を名鉄本線が通っており、こちらは以前訪問した桜神明社の時より騒音が大きく伝わってきます。

目の前を通る旧東海道は「山崎の長坂」と言われていたようで、熱田方面からでは自転車でも、ちょっと辛い坂道です。

駐車場もありましたが、はじめての方だと鳥居を通って良いのか悩むところです。


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御祭神は伊邪那岐命と伊耶那美命、事解男命、熊野速玉命になります。

事解男命があるのは熊野系列ならではですね。

伊邪那岐命と伊耶那美命の喧嘩別れした時の吐いた唾から生まれたと言われる最後の子供とされています。

また、熊野速玉命は伊邪那岐命と同一視されているので、この立て札には、私は少々疑問が湧くところでもあります。

社名が三社としているので、言わずとも本宮大社那智大社、速水大社の熊野三山ですが、熊野三山には仏教的要素があって、正直、祭神に関しては難解です。

 

熊野系列にある縁切り祈願ってのは、喧嘩別れしたと言うところなんでしょうが、伊耶那美命が亡くなってしまう原因とされるのは、火之迦具土神(火の神)を生んだ際に、女陰を焼かれ亡くなってしまうとあり、その最後の子供は一体どちらなのか?

一説では伊耶那美命の不貞が理由で、焼き殺されたのではなんて説もあったり、神道では死、仏教では別れとあり、勉強不足の私には疑問符だらけです。

 

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そんな疑問を感じながら境内へと進みます。

松巨島の手洗鉢です。現在の手水舎より拝殿寄りにあります。

今では周辺が住宅などで見晴らしは良くないですが、嘗て景勝地であったことは想像出来ます。


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現在の手水舎です。

境内は砂利といっても、さざれの様な細かいものではなく、白い玉砂利に近いものが敷き詰められて、枯山水の様に綺麗に手入れもされていました。

その辺りからも仏教的な要素を感じました。

熊野系列ですが、そこは那智黒石とか灰色っぽい砂利ではないのですね。


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拝殿です。賽銭箱は表にはなく、小窓から手を入れて、拝殿の戸の内側へと入れます。

拝礼が終わると、大きな烏の鳴き声がします。

「そうね、八咫烏の熊野三社だもんね。」と拝殿の屋根方向を見ると…

 

絵:いらすとや

千木は女神を意味する上向きの内削ぎ、鰹木は五本で男神を意味するお社なんです。

神社庁も正式に決まりは無いとコメントしていますが、そこにはルールがあったと考えるのが当然の事ではないかと思います。

熊野三山の千木は外削ぎで男神を意味しています。

那智の滝が女神を表しているとも言われていますが、やはり仏教的要素が加わると、どこか疑問が残ってしまいます。

 

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参拝も終了し帰路につきますが、八咫烏の印をどこにも見ないなと探していたら、掲示板に御朱印のご案内がありました。

こちらも神職の方は常駐しないようで、書置を送付してもらう様ですね。

 

色々と熊野系列の神社について疑問が新たに湧いてくる参拝になりました。

本日は時間に限りがあった為、松巨島散策はこれにて終了です。