昨日、25年前に亡父が廃業した工場の修繕作業に出動。
さて、今日の先手(さきて:簡単に言うと助手)をどうするか?
手が空いているのは、30過ぎの息子と80過ぎの母親。
ちょっと、私が高いところに登るので、仕事の段取りを分かっている方が良いわな。
…と言うことで、80歳を超える母親に声掛け。
後期高齢者を現場作業に連れ出すなんて酷いと思われる方もいらっしゃると思いますが、やっはり、そこは「餅は餅屋」と言うように、仕事の勝手を知っている、作業の意味が分かっている方が、こちらも安心して作業が出来ると言うもの。
高所から下にいる母親に『そこのスパン9尺ちょいは、あるよなぁ?』「7丁あるから大丈夫じゃない?」これなんですよ。
これが息子なら、作業下に潜り込んでコンベックスで測るでしょうね。
『作業下に入るな!』って、余分なこと怒鳴らないといけない分、こちらの集中力も欠けるし、疲れるのです。
私が『9尺ちょい』と言っている意味は、凡、その寸法が分かれば良いだけの話。
それに7丁って答えるところが、やっぱり廃業から年数が経っても建設屋の人間って事です。
7丁と言うのは、ブロックの事で1丁の横幅は約40cmですから、約2,800mmって事ですので、9尺=約2,700mmですから、ちょいの意味も理解しての返答なんですよ。
『チェーンブロックかけるから、外れた時、飛ぶ方向に居るなよぉ〜!』「あぁ、大丈夫〜!」って下を覗けば、こちらから視認出来るグッドポジションで、大ハンマーとバールまで準備しています。(笑
やっぱり、仕事を分かっている者と作業するのは精神的にも楽ですね。
きっと、母親とその辺りのDIYerを比較しても、80歳の婆さんの方が仕事も分かってるし、器用さは別にしても実戦経験豊富ですから役に立ちますよ。
今の世の中、褒めて育てろと言うけども、叱ることも、とても大事。
我が家など建設が家業であった事もあって、職人も沢山居たので、日常的に、怒鳴る、蹴る、殴る、ぶつけるが当たり前でした。
それが良いとされる理由はないですが、その者の事を思っての厳しく注意する事には訳があるのです。
言われる方は辛いかもしれないけど、親方や先輩に言われないように学んで、そうやって覚えた事は、一生ものであることを、少し理解されると良いですね。
嫌がらせや意地悪は話が違いますよ。
80歳過ぎても、親父に注意されて覚えた事は忘れていませんでしたから、正にその証明でしょ?
残念ながら褒めたところで、図に乗ることはあっても、大切な事と記憶に刻まれないところも人にはありますからね。