ものづくり仲間たちと、以前から話をしていた「ダイハツ認証不正発覚は、自動車業界のカウントダウンの始まりだろう」との予測が現実のものとなりましたね。
今回、次々に「みんなで渡れば怖くない」と、ダイハツの話も熱りが冷めた頃に出て来ましたね。
好意的に解釈すれば、豊田章男氏の社長辞任、自工会会長辞任も、これらの膿を出すのが目的だったようにも思えなくもないですが、日野もダイハツもトヨタ傘下と考えると、尖兵だったのかも知れませんね。
社会的波及を勘案する施策であった可能性も皆無では無いでしょう。
さて、これらの数々の不正問題。自動車企業特有のものなのでしょうか?
私の答えはNoです。
色々な企業が、不正もしくは手抜きを行っていると言って過言ではありません。
皆さん、それとなく気づいてますよね?
私の経験で、ISO9001がもてはやされた頃(ものづくり旧版)の話、色んな企業にて導入の指南に赴き、導入のお手伝いをさせて頂きましたが、本当にビックリするほど、どこもかしこも、雑で適当で呆れ返るくらいの実情の企業ばかりでした。
まぁ、それでもmade in japanの評価は高かったですけども…
2000年頃の話でしたでしょうか?愛知県にある皆さんも知っているであろう、愛知と言っても自動車関連ではありませんけど、製造業の某上場企業においても、本当に呆れる程のあり様でした。
結論を言ってしまえば、どこに行っても一様に思ったのは、本当に品質管理なんて真剣に考えてなくて、ゴールは監査か、ISO取得による、上司や取締役、株主様、取引先向けのPR材料程度の考えしかないと言っても過言ではありませんでしたね。
一例に品質保証のひとつに部品などの入荷受入検査があります。
その企業は、作業標準書も出来ていなければ、教育訓練計画もない。
作業従事者名簿も存在しないので確認をすれば、担当しているのは派遣やアルバイトの臨時雇いの日替わりであり、熟練度も全く無いと来てる。
短期間、右から左へと流れ作業をしているだけなので、その製品の返品や修理、クレーム詳細を調査すれば、結構なトラブル件数がありました。
更に市場からのフィードバックを集約し、設計や製造と共有する仕組みも、全く出来ていませんでした。
コールセンターと言ったところで、社外に委託しているケースもありますから、どこまで正しい情報が上がっていたかと考えれば、都合の悪いものは部門長が握りつぶした可能性もありますので、まぁ、その程度と察しですよね。
全く部門間の横串が通っておらず、個々の部門長の都合、意向ひとつと言う感じでもありました。
それが、日本国内と言わず海外でも名の知れた上場企業の実態なのですよ。笑ってしまうと言おうか恐ろしい…
それも一社だけの話でも無くて、その頃から私は日本のものづくりは終わったなと感じておりました。
勿論、立派な企業も存在していますし、私が以前在籍していた医療機器メーカーでの話ですが、認証機関において、「一体、誰がそんなことする?明らかに検査官の嫌がらせだろ?」と思うくらい、針をも通さないくらいの、検査、検査の検査漬けで、書類を提出すれば、修正、修正で、度々の再提出…の繰り返し。
気が狂いそうでしたが、それが人命に関わる者の仕事と思えば、それもやりがいと、必死に仕事をしていましたけど、そりゃ、認証が取れた時の喜びは半端ないですけど、同僚でも結構メンタルやられてましたからね。
医療機器においては、そんな頻繁に新製品をリリースする訳でもなく、モデルチェンジがある訳でもなく、汎用品でもない上に、人命直結なので、特に条件が厳しいのかも知れませんけど、モデルサイクルの短い自動車など、本当に大変だろうなと、私は容易に想像が出来ます。
4年くらいのマイナチェンジと考えれば、全てが非常にタイトなスケジュールだろうとも想像します。
これは何かロングセラーを良しとしない日本の風潮も良くないと私は考えますね。
そんな状況においても企業は人材育成も教育にも投資もしなければ、職場は人が足りなければと臨時雇いの多国籍軍の様相。
派遣ばかりとかで、そりゃ、どこかに漏れや手抜き、不正も起きて当然と思います。
あの飛行機の企業も聞けば、外部の者が多いそうですし、コンセンサスも大変ですよね。
認証を取るのにアメリカ人まで招き入れたと聞いていますけど、結局、認証取れずに頓挫しましたもんね。
残念ながら「ものづくり王国日本」と言うのは、既に過去の称号です。
本当に日本を大切に、子々孫々の繁栄を考えるなら、もっと真面目に仕事しましょ。
私の知る小売業では、販路拡大とばかりに新規出店を続けてますが、内容を見れば拡大を急ぎすぎて、従業員の教育が出来ておらず、オペレーションレベルは結構低めです。
そりゃ、働き手不足だと言うのに、出店拡大ばかり目を向けていても、教育訓練を行っていなければ、結果、売上だって伸びないでしょうに。
AI頼みで良いのですか?数増やした分、経費もかかりますよね?
それで人件費削減ってですか?
AIや自動化は、本当にエンドユーザーが望んだものですか?
スーパーのレジなど、結局、ご高齢の方が困っている姿いっぱい見ますよ。
経営者さん達も、そろそろ真剣に考えましょうね。