あっ!丁度良いところに加藤さん♪

神道とモノ作りと趣味の辛口コンシェルジュ

神棚のご相談

今年初めての神棚のご相談です。

昨年、神社ガイドをさせて頂いたKo夫妻様より、今年は本格的に神棚を考えたいとの相談です。

 

以降、資料作りが大変ですので、神社本庁や神社、神棚製造メーカーの資料をお借りしています。 

当方、皆様に広く知って頂く事が目的であり、営利目的ではございませんのでご理解願います。

 

さて、先ずは設置の方角になります。
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南向き、東向きを基本に考えます。

図にある赤いエリアには設置しません。

天照大御神を祀るのですから、太陽の昇る方角に向けて設置ですね。

出来れば陽が当り、風通しが良ければ最高です。

 

ご自宅の中で、家族の集まる場所、リビングなどが良いと思います。

神様を信仰する家族がいないと言われる場合もありますので、そこはご家族と相談されて、今風のモダンな簡易型で、ご家族を見守って頂ける場所が良いのではないでしょうか?

過去、寝室に神棚を設置されて失敗した方も、リビングに移動させて頂き、以降体調が良くなったとご報告も頂いております。

 

設置する高さは目線より上になり、上階がある場合は神具に「雲」の文字があるので、神棚上の天井に貼ります。

 

お仏壇がある場合には、正対しない事と神棚神札が仏壇より下に来ない様にします。

 

さて、神棚本体になるのですが、一社、三社、五社、七社とありますが、マンションなど、大きな神棚を設置するにも無理な場合がありますので、簡易型の神棚も販売されていますので、ご自宅にマッチするもので良いと思います。

「お宮の様なやつじゃないと…」

それは、我欲と言うやつで、神様は簡易型だからと怒ったはしませんよ。

熱田神宮とて、始りは熱田社と言って小さなお社ですからね。

大切なのは想う気持ちです。それは参拝の礼儀でも同じですが、間違ったからとご利益が無いとか怒られたりはしませんよね。

私自身、参拝で『今日は柏手上手く打てなかったなぁ〜。未熟だな。』と思ったりする事は多々ありますけど、ちゃんと歓迎してくれますよ。

 

では、一社から。

この様な順番になります。

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上図は三社になりますが、伊勢神宮外宮「豊受大御神」の神札をお持ちの方は、「天照大御神」の後ろに重ねます。

そして氏神神社、崇拝神社の順ですね。

 

神社参りが増えてくると、神札も増えてくると思います。

あまり、触れられていないのですが、神棚の飾りは基本奇数で考えます。

七五三ってあるでしょ?巫女の鈴の数も上から三、五、七です。 

これらの話は、後から触れるつもりで話を進めます。

 

「我が家は二社の神札しかないけど…」なんてお悩みや「今後の事を考えて、三社の神棚を用意したけど、手元には二社しかない…」とか話も伺います。

 

例えば、熱田神宮をお参りした時に「天照大御神」と「熱田神宮」の神宮大麻を授与するケースもありますよね。他に崇拝する神社も今のところないし、私は熱田神宮オンリーですなんて…。多ければ良いと言うものでもありませんから心配なく。

この時に、基本は縦に重ねれば良いのですが、「熱田神宮」の神札も日頃より見たいと言う気持ちも大変良く分かります。きっと神様も喜んでいるでしょう。

その様な時は…。

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神様から見て、左側が上位ですので、私達から見て左側に神札を配置します。

今後の事があって三社を準備された方は、とりあえず向かって右を開けた状態でも良いと思います。

 

次に三社

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一番、多いパターンでしょう。

 

五社

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七社

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センターを天照大御神、後ろに重ねて豊受大御神

そして、向かって右隣に氏神神社となり、

以降、左→右外→左外…となって行きます。

 

「いっぱい神社参拝して、神札が増えたのですが、我が家は三社飾りなので…」そんなお悩みもありますね。

 

その様な時は、表は七社までで向かって左側の崇敬神社に縦に重ねます。

三社で左後ろでも、勿論OKですよ。

「いっぱい、神社を回ってご利益いっぱい頂いて、我が家は神様いっぱい♪」って嬉しいですよね。神様も仲間が増えて嬉しいでしょう。

しかし、お気持ちは大変よくわかりますが、神札やお守りは一年したらお返しに行く事になりますので、それが出来るのかも、ちょっと考慮されると良いかもしれませんね。

 

神鏡→『鏡とは自らの姿を写し、我を祓いて神となる』とある訳で、我欲は祓いなさいなのですよ。瀬織津姫ですね。

 

ここまで、御札の並べ方を整理しましたが、次に多いご相談と言うのが…。


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角祓い、神宮大麻などを包んである透かし入りの薄紙です。

「取って良いのか、悪いのか…」

私も以前悩みましたので、ズバリ神職さんの回答です。

 

『皆様に授与するにあたり、神職も気をつけておりますが、人の手から手へと、汚れ、穢れが移らないよう、又、ご自宅迄の帰路、同様な事がない様に薄紙に包んでおりますので、ご自宅で神棚にお祀り頂くときは取り外して下さい。参拝のマナーは顔と顔を合わせてが基本となります。又、目はつぶりません様に。』

なんと素敵な回答でしょう♪

でも、集中したい時、目つぶっちゃいますよね?🤣

直視してはいけないと御帳があったりするのですが、お話する時は、恐れ多くも面を上げなんですね。🙇‍♂

それがちゃんと出来た時に、歓迎のメッセージを頂いた事は、いっぱいありますよ。

 

さて、これも次にとても多い相談です。

ちょっと、ここは難しいかもしれません。

「私の氏神様ってどこ?」「家族の氏神様みんな一緒なの?」「近所の神社で良いのですか?」🤔

 

一般的なお話をすれば、神社本庁にて現在お住まいのエリアの氏神神社を教えて頂けますし、webサイトで調べる事も出来ますが、全ての地域を網羅しているわけではありません。

私の住む愛知県も最近まで分からないところが多い地域でした。

何故、よく分からないのかと言うと、氏神、鎮守、産土神、産神が全て混同されてしまったからなのです。

ですから、神社本庁などに問い合わせると、その答えは、どちらかと言うと鎮守様になる事が多い様に思います。

地域の神社を継続し守る事が目的の様な気がしますね。

 

私を例にお話すると、町内の氏子会は、明治以降、干拓地に分祀分霊された村社を祀っています。

しかし、私は熱田神宮のお膝元であって、境外摂社や末社が近所にいっぱいあって、神明社も乱立しているのに、あそこが氏神だよと言われてもピンとは来ません。

出身地ではありますが、町名も子供の頃とは違いますし、村社の境内で遊んだ記憶も殆ど無いのです。つまりそれは鎮守様なのです。

こちらの神社には祭祀には熱田神宮の方が来られています。

 

母親にも聞いて見ました。

「そんなの熱田神宮に決まってるだろ?」

あのね、あなた九十九里浜近くの生まれだから、あなたは鹿島か香取神宮じゃ無いの?なんて思ったりする訳なのですが、そこでキーワードとなるのが七五三です。

 

近年では七五三参りに、社格とか立派なところとか、遠方から来られる方もおられますが、子供は7歳迄は神様からお預りしたもので、7歳をもって、その地の氏子となすとあるんですよ。

私は当然の事ながら「熱田神宮」です。

親子揃ってお参りするでしょう。皆、無事氏子入りとなった訳ですよ。

 

じゃ、七五三参りって、どこに行けば良いの?

それは延喜式神名帳を参考に、ご自宅周辺を探して見て下さい。

927年に社格を認められた神社ですから、その土地に昔からある神社となりますので、先人が崇敬した神社でしょう。

 

何かお社が立派だからなんて解釈だと、明治以降に勧請されていて、元宮が遥か遠く別なんて事もあるのです。👀

昨今では、そこまで考える人も少ないので、好きなところで悪い訳ではありません。

子々孫々迄、伝えるものが分かっていれば良いのです。

 

そんな事から、私の氏神神社は『熱田神宮』としました。

恐れ多くもですよね。🙇‍♂

氏と考えると、加藤の姓ですから白山信仰とか春日大社とか広がってしまうので、地場で参拝に行くことが多い、更には七五三参りをした神社と考えた時、我が家の神棚がスッキリ納得の行くものとなりました。

ご先祖様は熱田神宮の境外摂社の高座結御子神社、断夫山古墳の地におりましたので、縁もゆかりもありありです。

 

崇敬神社は沢山あっても良いですが、前出の繰り返しとなりますが、お返し行く事も忘れず考慮して下さいね。

近年では転勤や転居で人々の移動範囲も広いので、氏神や崇敬社を見直す事もあるかもしれませんね。

 

私の場合、素戔嗚尊に縁があると一昨年言われたのですが、調べると産院の裏が素戔嗚神社だったり、熱田神宮日本武尊素戔嗚尊の魂の生まれ変わりとも言われいるので、神棚には津島神社を祀ってあります。津島信仰とは、ちょっと違いますけどね。

 

そんなこんなで、ご家族の現在のお住いや生誕地、参拝の多い神社神宮、ご夫婦の出会いの場所、ご先祖様の縁の地、七五三参りや思い入れのある崇敬神社を総合して、ご提案させて頂きました。崇敬神社は神様の格とか考慮せず、見える神様のお顔順が納得なのか否で判断して良いと説明から、簡易型五社をご準備頂きまして、神札の並べ順も、ご夫婦共にとても納得出来るとの事で、今回もお役に立てて良かったなと思っているところです。

 

最後に補足ですが、神棚を触る時は、手水舎同様お清めをして下さい。手洗い、うがいでOKですよ。

又、神札のお取り替えは、基本12月13日から30日の29日を避けた日ですが、神札は汚れたと思ったら、いつ交換しても良いのですよ。

『祓いたまえ、清めたまえ』ですよね。

神様が汚れてしまったら悲しくないですか?